鍼灸師による「東洋医学」解説|20年5月パート3
こんにちは。院長の齊藤です。
前回まで、自然界と人の陰と陽について考えてみました。
<もう少し掘り下げてみましょう>
この陰と陽の関係は、どちらかが強く、どちらかが弱い。という訳ではなく、
一方が押せば、もう片方は引く。というような強弱を変化させていく関係性が成り立ちます。
例えば、
朝、睡眠から目が覚めると、体は睡眠状態から活動状態へ移り変わります。
人の活動も自然界と同じように、
夜=「陰」の状態から昼=「陽」の状態へ少しずつ変化していきます。
そして、昼の活動状態から徐々に夕方にかけて休息へと向かっていきます。
このように、陰と陽の関係ではバランスをとりながら徐々に移行していくのが分かります。
仮に、睡眠をとるはずの夜の時間帯に、昼と同じような活動をするとどうでしょう?
体を「陰」の状態にするはずの時間に「陽」の状態を継続していくような日々が続くと、
体は興奮し、目がさえたままで眠れなくなることが推測されます。
また逆も同様に、昼の時間帯に体を動かさずに眠ってばかりいると、
体が「陰」の状態になり、倦怠感がある、元気が出ない、などの状態になることが予想されます。
5月16日ブログの冒頭で「人間は自然の一部である」という考えがあると記したように、
自然界での陰陽の状態に反し、夜更かしなどで夜に体を陽の状態を持続する日々を続けると、
体の陰陽のバランスを崩し、不調を引き起こす原因にもなると考えられます。
出来るだけ、
自然界の夜(陰)には、体を休め(陰)
自然界の昼(陽)には、体を動かす(陽)
事を意識した方が良さそうであることが分かりますね。
この生活は、電気のない昔ながらの生活で理に適っているようです。
このように「陰陽論」では、陰と陽という概念を使い、
体に起こる様々な症状を分析していくことが出来そうである。
さて次は、もう一つの古代哲学である五行学説についてみてみましょう。
鍼灸師による「東洋医学」解説|20年5月パート2
こんにちは。院長の齊藤です。
前回は、自然界の「陰」と「陽」について考えてみました。
今回は、人の体の部位や人の活動で考えてみます
人の体を上半身と下半身の部位に分けて考えてみますと、
前回同様に、上になる上半身を「陽」、下側の下半身を「陰」と考えることが出来ます。
それでは、体の外側、内側ではどうでしょう?
これも同じく、体の外側(体表面側)を「陽」、体の内側(深部)を「陰」となります。
人の体も部位により陰と陽に分けれると理解出来る。
それでは、「陰」と「陽」で人の活動で考えてみます。
鎮静や睡眠など休息に関係するものを→「陰」
興奮や運動など活動的なものを→「陽」
と、分けることが出来ます。
次は、自然界と人の活動の陰陽の関係について考えてみます。
鍼灸師による「東洋医学」解説|20年5月パート1
こんにちは。院長の齊藤です。
今月も第2木曜日の14日、花巻市の「ココ・アルバ」さんを訪問して、お話しして来ました。
今月のテーマは、「陰陽論」と「五行学説」
東洋医学っぽい言葉がならびました。ちょっと耳慣れない単語ですね。
「陰陽論」とは、中国古代の思想で、
もともとは、「日が当たる」、「日が当たらない」。という事柄から始まり、
どんどん発展していった考え方のようです。
その昔、中国でも農業が盛んであり、「日当たりの良い土地」、「水はけの悪い水の多い土地」には関心があったことは容易に想像がつきますね。
では、どのような事柄が「陰」と呼び、「陽」と呼ぶのでしょうか?
月や夜などは、静かで暗く、冷たい印象がありますね。故に「陰」と呼び、
逆に、
太陽や昼などは、活動的で明るい、暖かいイメージがあります。故に「陽」と呼びます。
と、定義しています。
「明るい」は、陽 ↔︎ 「暗い」は、陰
「暖かい」は、陽 ↔︎ 「冷たい」は、陰
「上」は、陽 ↔︎ 「下」は、陰
「外」は、陽 ↔︎ 「内」は、陰
と言うように、昔の人々は、さまざまな物事には二面性があることに気づいたのでしょう。
さらに、
「上昇↔︎下降・前進↔︎後退・開放的↔︎閉鎖的・外向的↔︎内向的」
など抽象的な性質も含めてそれぞれ「陰」と「陽」に分けていきました。
このような図を見たことがあるでしょうか?
「陰」と「陽」を表す「太極図」です。
中国映画などで見かけたことのある人もいるでしょうか?
この図のように、
「陰」と「陽」はそれぞれ真っ二つに分けるだけではなく、
二つに分けると同時に補い合う関係でもある事を表します。
「上(陽)」がなければ、「下(陰)」がありません。
「昼(陽)」がなければ、「夜(陰)」がない。
などのように、
お互いに対立的でありながらも統一的な関係である事を意味します。
薄暗い夜明けから少しずつ日が昇り明るくなり、朝日が昇り、カンカン照りの日中へ。
日中を過ぎると徐々に日は暮れ、夕暮れはにはまた少しずつ暗くなり、日没を経て真っ暗な真夜中へ。
そして、また日が昇る・・・
太極図は、このような「陰」と「陽」を一度に表した図として表されています。
このような考え方から、世の中(自然界)のあらゆる物事は2つの性質に分けることが出来る。または、お互いにバランスを取るように絶えず変化していくものととらえていったものと考えられるようです。
今度は、1日から1年で考えてみましょう。
冬は寒いイメージがありますので、「陰」。
逆に夏は暑いイメージですので、「陽」。
これは、なんとなくイメージが湧くでしょうか?
冬の季節が終わると少しずつ暖かくなり、春になりそして夏へと移ります。
また、夏の季節が終わると少しずつ寒くなり秋、それから冬へと移り変わります。
また春が来て・・・
と、続いていきます。
季節を用いる言葉の二十四節気とこの太極図を組み合わせてみると。
このように表すことができます。
次は、人の体や活動についての陰陽を考えてみます。
鍼灸師による「東洋医学」解説|20年4月パート3
こんにちは。院長の齊藤です。
「少し遅くなりましたが、先月の内容の続きです」
東洋医学では、
「人間は自然の一部である」という考え方がありあます。・・・これは、どういうことでしょうか?
例えば、
太陽の熱で暖められた地上の水分は、水蒸気となり、やがて雲を形成します
↓
雲の中で生じた水分は、その重さから雨となって地上に降り注ぎます(その際は周りの空気を冷やしていく)
この関係が崩れると、大雨から洪水になり、やがて土砂崩れなどに。
人の体ではどうでしょうか?
水を飲むと、消化器官を経て全身に水分として吸収されていきます。
例えば水分の飲みすぎでは、
↓
浮腫みや下痢を引き起こしたりします。
このように、人間の体が自然界の一部で、人の体の中にも自然界と同じ構造があると考えると、
「自然界で起こっていることが、人の体の中でも起こっている」と考えられています。
このような考え方が、自然を見ながら体の中で起こりうる変化を推察することにつながります。
細菌とウイルス
ところで、細菌とウイルスの違いって何?
と、言う質問がありましたので・・・
細菌(バクテリア)やウイルスなどは、感染症の病原微生物に分類されている。
病原微生物は、大別すると、
真菌・原虫・スピロヘータ・細菌・リケッチア・クラミジア・ウイルス
に分類される。
細菌とウイルス以外の例を挙げると:
真菌:白癬菌(カビ)やカンジタなど
原虫:マラリヤやトキソプラズマなど
スピロヘータ:梅毒を引きおそす梅毒トレポネーマなど
リケッチア:ダニやシラミを介して人に感染し、発疹チフスやツツガムシ病などを発症する
クラミジア:トラコーマなど
が、ある。
細菌:一般に単細胞生物で大きさは0.5μm〜10μm程度。形状は、球状、桿菌、らせん状などである。
球状には、黄色ブドウ球菌・連鎖球菌・肺炎球菌・淋菌など
桿菌には、大腸菌・サルモネラ菌・赤痢菌・コレラ菌・百日咳菌・破傷風菌・ボツリヌス菌・結核菌など
らせん状細菌は、らせん状の形態の細菌。スピロヘータなどがある。
ウイルス:ウイルスには、他と比べて特徴がある。
①大きさは、とても小さい。0.2〜0.015μmで電子顕微鏡ではじめて観察できる大きさ。
②生きた特定の細胞でのみ増殖できる。
③DNAやRNAの遺伝子と、それを取り囲むたんぱく質の外殻から成り立っている。
主なウイルスは、アデノウイルス・ヘルペスウイルス・日本脳炎ウイルス・ポリオウイルス・コクサッキーウイルス・肝炎ウイルス・狂犬病ウイルス・インフルエンザウイルス・風疹ウイルス・エイズウイルス・ノロウイルスなど数多くある。
大雑把に細菌とウイルスを比較すると
細菌は、普通の顕微鏡で見ることが出来る大きさに対し、
ウイルスは、電子顕微鏡でしか見ることが出来ない大きさ。
また、細菌には細胞があり、適度な水分などがあれば自力で増殖することが出来るが、
ウイルスは、自分で増殖することが出来ず、それぞれのウイルスが好む臓器の細胞に侵入し増殖する。
日常生活において、細菌とウイルスに対しては、
除菌フィルターなどでは、ウイルスの大きさを防ぐことは出来ず、
また、抗生物質では細菌を死滅させたり、増殖を抑えることが出来ても、
ウイルスには効果はありません。(市販薬で抗生物質は軟膏の外用薬しかありません)
ウイルスには、手洗い・うがい・消毒などの予防が大事ということですね。
現在、多くの医療従事者の皆さんは、
このウイルスの一種である「新型コロナウイルス(Covid-19)」
に立ち向かってくれています。
本当に感謝でいっぱいです
GWの休診について
新型コロナウイルス(COVID-19)による肺炎により亡くなった方々の、
ご冥福をお祈りいたしますとともに、
現在、罹患されている方々の1日も早いご回復をお祈り申し上げます。
また、医療機関の皆さまのご尽力には、本当に心から感謝申し上げます。
さて今般、16日に緊急事態宣言が発出されました。
鍼灸院・整骨院は、
東京都や大阪府などの地域においても休止の要請は除外されましたが、
当院の今年のGWの休診を以下の通りとさせていただきます。
ご不便、ご迷惑をおかけしますが、
ご理解をよろしくお願い申し上げます。
GWの休診:4月29日(水)〜5月6日(水)
鍼灸師による「東洋医学」解説|20年4月パート2
こんにちは。院長の齊藤です。
昨年度までの内容でも、たまには東洋医学に少しだけ触れてきましたが、
漠然としすぎて、なかなかピンと来ないことが多かったので、
東洋医学を知っていただくためには、
やはり、簡単でも良いので基本的な内容を知っていただくことが大切なようです。
「体を冷やさないように」・・・実は東洋医学の考えかただったりするけど、結びつかない。など。
第一回目は、東洋医学のイメージと西洋医学(現代医学)との比較や伝わり、
発展、長所や短所を比べながら東洋医学に触れていただきました。
例えば、以下のような感じで進んでいきました。
Q.東洋医学にはどのようなイメージがありますか?
A.悪い場所だけでなく、体全体を診る。
A.なんか難しそう。
A.よく分からない。
A.中国から伝わった。
A.昔から日本にあるもの。
など、たくさんのイメージを言っていただきました。
次に、
Q.西洋医学(現代医学)はどのようなイメージがありますか?
A.検査をする。
A.薬を飲む。
A.ピンポイントで、悪いところを治す。
など、東洋医学とは違った視点でのイメージを皆さんに挙げていただきました。
次は、東洋医学とはどのようなものかを具体的な例を挙げながら進んでいきます。
鍼灸師による「東洋医学」解説|20年4月パート1
こんにちは。院長の齊藤です。
一昨年より月に一度、多機能型事業所「ココ・アルバ」に訪問して
健康についての話や、
ストレッチなど身体についてのお話をさせていただいておりました。
今年度も継続して訪問していくことになりました。
昨日は、今年度第1回目
今ままでは、特にテーマを設けないでの、
講義が多かったのですが、
今年度は、東洋医学の考え方をもとに、
日常生活では、それをどのように生かすかを考えて
シリーズでお伝えしていこうと計画しております。
2020年 営業(施術)開始しました
6日より「齊藤はりきゅう整骨院」は今年の施術を開始しました。
今年もさまざまな研修、セミナーを通して皆さまにより一層還元していきたいと存じます。
さて今年も昨年同様、2月に「NHK」から東洋医学についての番組、
の放送が予定されています。
内容は、
イギリスではプライマリケアとして、家庭医の診療所などで、
うつ病への鍼灸治療が行われているとのことで、取材されたとのこと。
また、オリンピックイヤーということもあり、
選手が実際に鍼灸治療のサポートを受けている様子の紹介。
(一部、医道の日本1月号より抜粋)
海外の鍼灸事情から国内で行われているスポーツ鍼灸の紹介など、
今回も興味深い項目が目白押しになっているようです。
興味のある方は是非ご覧ください。
あけましておめでとうございます
2020年が皆様にとりまして、
幸せで健康な一年でありますよう、心よりお祈り申し上げます。
今年は、
今シーズンから再開したスキーで始まりました。
ゴンドラ・リフトに乗りながら、
どのような一年になるか思い描きながら。
いよいよ今年は「東京オリンピック・パラリンピック」が開催されます。
身近でも「聖火ランナー」に選ばれた方々がおり、
より近くに「オリ・パラ」を感じられ始めました。
聖火ランナーが次の聖火ランナーに聖火を受け渡すことをトーチキスというそうです。
東京2020聖火リレーコンセプトは
「Hope Lights Our Way/希望の道を、つなごう。」
支えあい、認めあい、高めあう心でつなぐ聖火の光が、
新しい時代の日の出となり、人々に希望の道を照らし出します。
(東京オリンピック組織委員会から引用)
当院も皆さまに希望の道を切り開くよう努力し、
貢献できればと切望しております。
本年も「齊藤はりきゅう整骨院」をよろしくお願いいたします。